こんにちは、鬼喜王子です。
「目にも止まらぬ早業」という言葉がありますが、マジックで「早業」と思われているもののほとんどは早業ではありません。見ている人の心理的な隙を利用してそのように見せかけているだけなのですが、それでも一部の見た目が鮮やかなマジックの中には、本当に早業を使っていることもあります。人間の感覚・知覚の限界を超えた早さでテクニックを使っているので不思議なことが起きているような錯覚が起きてしまうのです。
たいていの場合、僕たちがやっているマジックはその知覚の限界を下回ることはないのですが、先日見ている人の知覚がテクニックのスピードを上回ってしまうという珍しい経験をしてしまいました。
O氏主催の花見は、毎年4月第一土曜に開催され、普通のサラリーマン、芸人、スポーツ選手、遊び人、大学の助教授等、雑多な人間が集まってきます。
僕は毎回この席でマジックを披露しているのですが、どんなに酒が入っていようと、またどんなに同じことをやろうと、タネがばれない自信がありました。
ところが今年ある一人の人間が、「目にも止まらぬ早業」のタネを見破ってしまったのです。
なぜならその人には「目に止まっていた」からなのです。異常な動体視力の良さ。
聞いてみると、先日ボクシングの東洋東太平洋チャンピオンになったばかりだという現役バリバリのプロボクサー。
こんなこともあるんですね。