こんにちは、鬼喜王子です。
長い人生を生きる上で、良い出会い、特に「師」と呼べる人との出会いは、大切である。
幸運なことに、僕には「師」と呼べる人は4人いる。
その中でも、僕が多感な高校生のときに出会い、その後20代の苦しい時代を生きる時の心の支えとなってくれた、竹岡先生の話をしよう。
竹岡先生は、僕が高校生のときに通っていた学習塾の英語の先生である。
無知でそのくせ生意気な高校生の僕にとって、竹岡先生は英語の教師である以上に、良き兄貴であり、相談役であり、諌め役であり、人生を教えてくれた師でもあった。
授業自体も学習塾なのだから、受験英語のテクニックだけに徹すれば良さそうなものだが、極めて実用的な英会話、英文の読み方等を教えてくれた。
今僕が、海外の書籍も読めるし、外国人マジシャンとも臆すること無く会話できるのも、この頃の教育のおかげである。
その先生がある日(どんなシチュエーションかは忘れてしまったが)こんなことを僕に言った。
「すぐに手に入るモノはすぐに役にたたなくなるぞ」
それから十年以上経ってしまったが、いまだにこの言葉は僕の生活の中で生きている。
酒のようなすぐに手に入る快楽よりは、仕事の達成感の方が、いつまでも満足感を覚えているし、すぐに寝てくれるような女の子とは長続きしないし、マジックに関してもお金をだしてすぐ買えるようなネタよりは、苦労して身につけたテクニックの方が何年も使い続けている。
周りを見てみても、簡単に有名になった人はすぐに消えていく。去る人日々疎し。
自分で言うのもなんだが、僕は不遇の時代が長く続いたにも関わらず、まったく腐ることがなかったのは、やはりこの言葉に支えられていたからだと思うのだ。