花の生涯、鬼喜王子です。
「捨てる神あれば、拾う神あり」
僕、鬼喜王子は火曜日は赤坂にある「うさぎや」に出演しています。
そんなある火曜日。
時間はあけて翌水曜日の午前2時過ぎ。
客足もそろそろひいて来た頃、一組のお客様が来店しました。
二人組の女性で、聞けばひとりは本日誕生日とのこと。
十二時ならマジックでバラを出してプレゼントするところですが、うさぎやはテーブルマジックしかやらない店なので、バラは準備していません。
「この時間に花屋なんて空いているわけないじゃない」と冷たく言い放ったスタッフを後に、僕は花を求めて深夜の赤坂の町に飛び出しました。
韓国人が2時までやっている花屋はタッチの差で閉店。店じまいの途中でも商売っ気まったくなし。
近所の知っている花屋もやはり空いていない。とその時。
ホステスとお乏しきおネエさんがバラの花束を持って歩いているではないか!
怪しいと思われるのもかまわず話しかけるオレ。
「すいません、そのバラ一本いただけませんか?」
「いいわよ、全部あげる」
こともなげにいうおネエさん。
マジっすか!? 至誠が天に通じたか。地獄で仏にあったのか。
おネエさんが何者で、この花にどんな因縁があるのかは知らないが、助かったのは事実。
あきらめなかったお陰で、お客様にも記念になるバースデーをプレゼントすることを出来ました。
ありがとう、おねえさん!