2005年12月30日
 

鬼喜王子、2005年を総括する(その3)

マジックという自分のホームフィールドにとっても、2005年は大躍進の年でした。
マジックを始めて10年、プロになって5年という節目の年に、今までの鬱憤をはらすかのように、一気に知名度が上がりました。
9月のマーカ・テンドーコンベンションでグランプリをとって、やっとマジック界でも顔を覚えてもらえるようになりましたし、10月(再放送は11月)の日テレの番組出演で街中でも声をかけられるようになりました。
二年前、くすぶってどん底にいたことを思うと、夢のような変化です。

自分にさほどの力がないにも関わらずこうなったのは、どんなときも変わらず接して来てくれた友人、陰で支えて来てくれたスタッフ、切磋琢磨し合って来た他のマジシャン達、日々の演技を見て来てくれたお客様、それぞれの立場を超えて叱咤激励・アドバイスをしてくれた「仲間」たちのお陰だと思っています。
そしてどんなときでもあきらめなかった自分、今振り返ると不思議なくらい、絶望的な状況でもあきらめなかった自分へのご褒美だったのかな、と思います。

ただまだスタート地点に立ったばかりだと思っています。課題も山積みです。
2006年からは仕切り直し。これまで以上に精進していく所存です。
皆様の変わらぬ応援よろしくお願いします。

それでは皆様、よいお年を。
みなさんにとっても、2006年がいい年でありますように。

鬼喜王子

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2005年12月29日
 

鬼喜王子、2005年を総括する(その2)

僕、鬼喜王子にとって今年1年は激動の年でした。
たくさんの別れと出会いがありました。
その中にはお客様という立場を超えて、友人となって頂いた方もいらっしゃいますし、少なからず僕に影響を与えた出会いもたくさんあります。皆さん一人一人との出会いが、鬼喜王子という人間の血肉となっています。

あと個人的な話で恐縮なんですが、生まれて初めて九州と沖縄の地を踏みました。
特に沖縄は良かったですね〜。この世の楽園というか、魂のふるさとという感じで。
ちょっと表現しづらいのですが、沖縄とそこに住む人々から「本当の強さ」というものを感じました。
大切な人と一緒に行ってみたい場所ですね。

沖縄といえば、これはプロモーションDVDの撮影の仕事で行ったのですが、中川監督を始めこの仕事で素晴らしい人々と出会いました。
皆さんの仕事に対する真摯な姿勢、気配り。
エキストラの方々のマジックを見せた時の反応、人種や言葉は違っても人を楽しませることの出来るマジックの素晴らしさ。
映像が完成した時のショック、僕の役者としての完全な実力不足、表現者としてのレベルの低さ。
どれもが自分を見直すいい経験となりました。

つづく

Posted by kiki at 16:33 | コメント (0)
 
2005年12月28日
 

鬼喜王子、2005年を総括する(その1)

こんにちは、鬼喜王子です。

今年僕の財布の中には、初詣のときに靖国神社で買った、おみくじがずっと入っていた。書いてあることがあまりにも的確だったので、枝に結べなかったのだ。
その「吉」のおみくじにはこう書いてある。

このみくじにあう人は 心得一つで 善事も悪となり 不利のことも 有利になる 油断することなく 慎みて 身を持して進めば 神仏のご加護により 幸せ来たる

裏面の「みおしへ」にはこうある。

余所(よそ)を見て怨みとがむることなく、ただ我が志のつたなきことを責め、我が心身のただしからぬことのみを憂ひ、冥加を祷(いの)りてあらためなほすべし。

僕は一般的な意味での神仏というものをまったく信じない男なのだが、不思議なことに必要なものは必ず目の前に現れると信じている。だから当時仕事でもプライベートでもドン底だった僕にとって、この言葉は光明に思えたのだ。

「俺はなんでこんな目にあわなきゃいけないんだろう」とか「もうマジックなんてやめてしまおう」と思ったことも一度や二度ではない。
それでもこのおみくじに書かれた言葉を信じ、「悪いことがあるのは、自分に直すべきところがあるからだ」と思ってがんばってきた。

それが今年の、31年の人生の最大の躍進のベースになっていると思うのだ。

つづく

Posted by kiki at 04:36 | コメント (0)
 
2005年12月27日
 

♪あなたがわたしにくれたもの〜

実はバンドブーム世代の鬼喜王子です。

マジシャンpiyoさんは、マジックをはじめて3年とは思えないくらいのアイディアマンであり、優れたクリエイターでもいらっしゃいます。その実力はあの前田知洋氏も認めている程です。
実はこの人、表の顔はマジシャンなら必ずお世話になっている某TKHの統括マネージャー。
「これこれこういうものがないか?」とお願いすると、その職権を濫用、もとい最大限に利用して、何でもとりよせてくれるという、エリア88に出て来たマッコイじいさんのようなありがたい人です。
マジックの件で相談しても的確なアドバイスをいただいたりして、僕自身も何度助けられたかわかりません。前述の前田氏も200%の信頼をおいている方です。

そのpiyo氏が先日、「遅ればせながら」と9月のテンドーコンベンション優勝のプレゼントに持って来てくれたのがこちら。
dogtag.jpg

どうです? すごくないですか?
久し振りに人からものをもらって「ヤラレタ」と思いました。
プレゼントをするってこういうことなんですね。

Posted by kiki at 14:40 | コメント (1)
 
2005年12月25日
 

夢の舞台

メリークリスマス! 鬼喜王子です。

時グループ恒例、クリスマスマジックディナーショーが無事終了致しました。
僕鬼喜王子はラスベガス進出を見越して、「和妻」という日本のマジックを演じたのですが、なにぶん練習不足で皆さんに拙い姿をさらしてしまいましてすいませんでした。でも大学の後輩の倉持君の助手のお陰でなんとかカタチにすることができて、ほっとしています。

それよりなにより、このステージにゲスト出演して頂いたマーカ・テンドーさんと深井洋正&キミカさんと共演できるとは夢のようでした。

前にも書きましたが、テンドーさんは自分があこがれ、目標とし続けている人ですし、深井さんも僕がプロマジシャンになるきっかけを頂いた人です。
奇しくも何年も前に深井さんが主催したマジックの大会で僕は自分の可能性と限界を感じ取り、今年のテンドーさん主催の大会で見事限界を克服し可能性をカタチにしたのです。

今回も楽屋ではお三方とお話をし、その哲学や情熱を感じ取り、ステージではマジックに対する姿勢、アーティスティックな部分を勉強させて頂き、最高のクリスマスプレゼントとなりました。

お二人の演技が終わった後、ショーの大トリをつとめるためステージに上がったとき、体は慣れないことをする緊張のため震えていたそうですが(自覚症状がなかった)こころは不思議と落ち着いていました。
ここは自分が戻るべき場所、ここが僕の生きる場所、そして自分はこの仕事を本当に愛しているのだな、と思いました。
ご覧頂いた皆さんには本当に拙いステージでしたが、僕はあの場所にいたことを本当に幸せに思います。

これからもみなさんの変わらぬ暖かい応援、ご指導、ご鞭撻の程、何卒よろしくお願いします。

xmas.jpg
上段・倉持君、下段・左よりキミカさん、深井さん、鬼喜王子、テンドーさん

Posted by kiki at 23:26 | コメント (0)
 
2005年12月24日
 

試写会

本当に1センチの違いがスクリーンで1メートルの違いになった、鬼喜王子です。

以前こちらで紹介していたプロモーションDVDの完成試写会に行って参りました。
僕はただ見るだけだと思っていたのですが、主役のYUKI x MAKIの二人、中川陽介監督と一緒に観客やマスコミの前で挨拶することになっていてびっくりしました。緊張してろくにしゃべれませんでしたが…。
それにしても自分を映像でみると緊張しますね。以前にテレビにでたときもそうでしたが、撮影されている時よりもドキドキする。画面で見て自分の演技の拙さを見せつけられると尚更です。
(中川監督からはOKは頂きましたが…)
冒頭の松田優作の台詞を痛感しました。

それにしてもさすがは中川監督、YUKI x MAKIのお二人は当然としても、大根役者の僕までカッコ良く映ってました。
みなさんにも是非みていただきたいのですが、発売の方はちょっと遅れているみたいですね。
詳細がわかり次第、またこちらでおしらせします。

そういえば、東京国際映画祭で話題になった中川監督の『真昼ノ星空』が、5月に一般上映されるそうです。
こちらもみなさんに是非見て頂きたいですね。

それでは。

Posted by kiki at 07:43 | コメント (0)
 
2005年12月16日
 

Clown Around The Crown

鬼喜王子です。

僕がマジックをする時に気をつけていることの一つに、「お客様の中で一番偉い人を標的にする」というのがある。
接客という観点だけからではなく、狭義のエンターテインメント、広義のコメディ、つまり風刺とか人をバカにして笑いをとるものの、それは義務だと思うからである。

「コメディアン」の役目、というか存在意義というのは、人が怖くて言いたくても言えないことを大声でいうことにある。「大様の耳はロバの耳」と言える者こそが、真の「コメディアン」なのである。人は言えないことを言ってのけたコメディアンに快哉を叫び、言われた偉い人は、もしその人が賢者であれば、笑われながらも言われたことを自らを省みるよすがとし、「コメディアン」を許すであろう。

昔の王様というのは、必ず道化を側に置いた。道化のバカにした、それ故に真実の言葉に耳を傾けることで、側近の阿諛(おべっか)に惑わされぬためであり、また道化を許す自分の度量の広さを人々に示すためである。

真のエンターテイメントというものは、それを見た人々に何かを気付かせ、考えさせものであると、僕は思う。
チャーリー・チャップリンが偉大なのは、彼がドタバタ劇をやったからではない。時には命の危険にさらされながらも、機械文明、ファシズム、金銭至上主義を風刺し、批判したからに他ならない。

どんなに偉い人、注意深い人、頭のいい人、冷静な人にもだまされる余地はある。それを人々に、やられた人、見ている人に気付かせ、子供に戻してあげることが、マジックのひとつの役割ではないかと思うのだ。

Posted by kiki at 03:07 | コメント (0)
 
2005年12月12日
 

方外の者

お久し振りです、鬼喜王子です。
スランプが明けやっとブログを書けそうです。

こないだ髪を黒く染めてきました。
周囲の反応は「キアヌ・リーブス」「アキバ系」「普通の人」「ウッチャンみたい」等々、賛否両論でしたが、僕が髪を黒くするのはなんと5年振り。鬼喜王子の名前を冠してからは初めてのことです。
茶髪のこともありましたし、シルバーにしていたこともありました。あまりに髪の毛が痛んで黒に戻そうとしたことも何度もありましたが、その度に思い留まってきました。

「方外の者」という言葉があります。日本史の用語で、この世の中(共同体)の法や常識を超越し、自由や特典を得る代わりに、その庇護も受けられない存在のことです。中世の漂泊民や特殊な職能を持った者をさしています。
現在の我々の生活の中で一番身近なのは、お坊さんです。お坊さんはその昔、死者を弔うという特殊技能をもち、働かなくても収入を得られる身分でありましたが、そのかわり法によって守られることのない存在でした。
こうした人々は誰から見ても一目でわかるかっこう、例えば「婆娑羅(バサラ)」と呼ばれた人々は極彩色の目立つ格好をしていましたし、お坊さんは坊主頭です。

5年前、プロになったばかりの頃、マジックはブームではありませんでしたし、実力も今程ありませんでした。
当然食えない。でも志や姿勢だけはいつでもマジシャンでいようと思っていました。
そしてマジシャンは「方外の者」であるべきだと。
そうして金髪・銀髪時代に突入しました。
バイトをしないと食って行けません。当時、そんな頭で許されるバイトといえば、肉体労働か場末の時給の安いコンビニか怪しげなバイトしかありませんでした。しかもどれも時給が低い!
こう見えても仕事ぶりは真面目ですし優秀なので、派遣の会社にいた時も某大手アウトソーシング会社の正社員になるようさそわれたのも、一度や二度ではありません。但し髪を黒くすれば、の話でしたが。

僕は方外の者であるつもりでしたし、実際髪が黒ければうけられる恩恵も受けられませんでした。
「バカヤロー、俺はそんなチンケな会社に就職するために東大やめたんとちゃうわい!」

突っ張ってたんですね。25歳のツッパリ。

お陰さまで、僕もいまやなんとか、世間様にも一人前のマジシャンとして認められるようになりました。あえてもう金髪にこだわる必要もないだろうと。年末の和妻にあわせるという理由もあるのですが。
黒髪になっても、心は方外の者であり続けたいと思います。

★使用前
magician_img_06.jpg
           ↓
★使用後
黒髪.jpg
ま・っ・た・く・簡・単・だ

Posted by kiki at 03:31 | コメント (0)
 
2005年12月04日
 

体で覚えろ!

鬼喜王子です。

タケちゃんは「十二時」のバイトバーテンダーである。昼間の姿はラガーマンにして医大生。
そのタケちゃんが営業後に質問して来た。
「王子さん、事故のときの応急処置でまず一番最初にしなければいけないのはなんでしょう?」

皆さんはわかるだろうか?
正解は「人を呼ぶ」である。

「すごいですね〜、王子さん。なかなか正解言える人少ないんですよ。」と言ってくれたが、答えられたのには訳がある。
2年前オートバイの免許を取った時に、応急処置の講習を受けたばかりなのだ。
いや、2年前でも忘れるものは忘れるだろう(現に道路標識のマイナーなやつはもう忘れかけている)。
でも応急処置の講習は、最近免許を取った方ならご存知だろうが、体で覚えさせられているのである。

内心はバカバカしく思いながらも「事故発見! 誰かいませんか〜!?」と台詞を大声で言わされたお陰で、未だに応急処置の手順を忘れずにいられる。心臓マッサージと人工呼吸の回数やペースの数字は忘れてしまったが、どれくらいのスピードでやったらいいかは、体がはっきりと覚えている。

僕のミリオンカード(トランプが次々に出てくるマジック)も、大学生の頃暇にあかせてトランプをいじくっていたおかげで、あれだけ華麗な(自分で言うのもなんだが)演技ができるのだなぁ、としみじみ思ってしまった。

体で覚えることの大切さよ。

Posted by kiki at 07:05 | コメント (0)
 
2005年12月02日
 

ベビーブーム

こんにちは赤ちゃん、鬼喜王子です。

このブログを書かない間に師走になってしまった。
一年でもっとも忙しい時期。
に、追い打ちをかけるように、年末調整の準備等、面倒くさいことをいろいろやらなければいけない。
その書類を取りに家に帰ったある日。2ヶ月前に結婚したばかりの実兄からFAXが届いていた。
「おまえ、来年おじさんになるぞ」

フム、俺もそんな歳になりましたか、と思い区役所にでかけたその帰り道。
僕の大学時代の親友であるO寺夫妻とその弟に偶然会った。
よく見ると奥さんのお腹が大きいではないか。
「お前、いつ子供つくったん?」
「7月にメールしたやん!」
ゴメン、見てなかった。

という訳で今、僕の周りではベビーブームである。
彼らの幸せそうな様子を見ると、子供を作ることはとても尊いことなのだな、と思う。

かつて僕は人並みの幸せは手に入らないだろうと思っていた。
結婚して子供を作ることも無縁であると思っていた。
(今はそうじゃないけど、見通しは立ってない)

だから後世に何か残せるものを、と思ってマジックに頑張って来たというのもある。
でも結局は子供を作ること以上に残せるものはないのだ。
それでもやはり、何かを残したい、という気持ちは強くなるばかりである。

Posted by kiki at 06:15 | コメント (0)

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