鬼喜王子です。
いつの間にか梅の盛りも過ぎてしまいました。
僕はいろんな花の中で、とりわけこの梅の花が大好きである。
まだ寒いうちから他の花に先駆けて、春を告げるために花を咲かせる。
そして春も真っ盛りとなり他の花が咲き乱れているころには、ひっそりと枯れている。
その姿は武士(もののふ)のようでもあり、可憐でもある。
昔、知人の活花の先生が言っていたが、桜と違い梅は枯れはじめても簡単には散らない。いつまでも醜くしがみついている姿が汚らしいと。
だが僕はその姿こそがいとおしいと思う。それは我々の姿なのだから。
桜のように潔く散る美しさもある。
だが醜くてもしがみつくことで得られる何かもある。
この度、WBCで日本代表が優勝したが、決して平坦な道のりではなかった。
幾たびのピンチ、99%乗り越えられないと思っていた逆境もしぶとくあきらめなかったから得られたものではないだろうか?
あのクールなイチローが感情をむき出しにしていた。非常にさめた目で見てしまえばそれはかっこ悪い。だが実際それを目にしたとき、僕たちの魂は激しく揺さぶられていた。
また梅花の季節が来るたびに、僕はイチローの姿を思い出すだろう。