ご無沙汰しています、鬼喜王子です。
この一ヶ月というもの、何をするにしてもまったくやる気が起きず、ブログはもとよりマジックも止めようかと何度も思っていた。
生きる気力もなんとかひねり出して、あとは惰性で生きていたような気がする。
今僕は出張で大阪に来ている。僕が浪人時代を過ごした街だ。
その頃は、というか今でもそうなのだが、僕は自分を関西人だと思っていなかった。暮らしていはいたものの、1滴たりとも関西人の血は混じっていない。自分は関西ではずっと異邦人だと思っていたし、だからこそ異邦人を受け入れてくれる東京にずっといきたかったのだ。実際東京は僕にとってこの上なく心地のいい場所だった。
しかし不思議なもので、憂鬱ですべてにやる気を失っていた僕が大阪でタクシー二乗り、運ちゃんに決して東京では聞かれないような聞き方でずけずけと大阪弁で話しかけられ、同じく大阪弁で答えているうちに、なにか生命のグルーヴとでも言ったらいいのだろうか、エネルギーのうねりが体のなかからわき上がって来るのがわかった。
「ああ、オレって西の人間なんやなぁ」
現場でキルト(スコットランドの民族衣装)の着付けを手伝ってくれた大阪のおばちゃんの、あの押し付けがましい親切は東京では味わえない(下町に行けばまた別かもしれないが)。
「ふるさとは遠くに在りて思うもの」であるが、ときどきは戻るのもいい。
そして旅は、どんなに短くてもするものである。何かを見いだせる。
明日は名古屋だ。