鬼喜王子です。
この仕事をしていて大変ありがたいのは、一般の仕事に比べて有名人に会う機会が多いということである。
別にこれはミーハーな気持ちからではなく、何か名を成した人物というのは一流のモノを持っており、それに触れることで自分を高めることができるからである。
別のいい方をすると、一流の人間というのは共通の特徴・雰囲気をもっており、それをまねることで自らも一流に近づけるのである。
具体的に言うと、有名人と呼ばれる人は、概してものすごくいい人であり、また大変謙虚である。
傍若無人に見える人もたまにいるが、根っこの部分ではやはり恐ろしいくらいに謙虚で気配りがすごい。
本当に傍若無人な人はいても、すぐに消えていってしまう。
あと仕事ができるひとというのは、楽しんでいる。仕事を楽しみ、遊びを楽しみ、人生を楽しんでいる。
それが余裕となって、懐が深い雰囲気を作り出しているのだ。
先日楽天証券さんのセミナーでお仕事を頂いたのだが、その現場でエコノミストの藤巻健史さんとお話する機会を得た。
藤巻氏は株をやっている人間なら知らない人はいない、また僕のように全く経済に興味がない人間でも本屋の吊り広告なんかで名前は知っているくらいの大物、「伝説のディーラー」と呼ばれたやり手である。
株や相場で儲けて、死ぬ程お金を持っている、トカゲのように冷血でものすごいやな人間だと予想していたのだが、現実に会ってみると全く反対で、温厚かつ親切な紳士だった。しかもこちらが恐縮するくらい謙虚な方だった。
経済はからきし苦手な僕の子供じみた質問にも、嫌な顔一つせずに丁寧に答えて頂いた。
それと驚いたのは、すぐにメモをとることだった。
僕がラスベガスのマジック事情を聞かれたので簡単に説明すると、公演用の原稿にメモをし始めたのだった。
何故だか知らないが、僕はその姿にすごく感銘を受けたのだ。
その藤巻さんが見ていた(かもしれない)ステージで、パーフェクトな演技ができなかったことが、心残りである…。