こんにちは、鬼喜王子です。
ボクはコンプレックスがあるのかどうかわからないが、あまりお笑い芸人に対しては興味がないし、名前もなかなか覚えない。
そんなボクが最近ハマってしまったのが「ディラン&キャサリン」である。
詳しくはテレビやYouTube等でチェックしていただきたいのだが、要は海外ドラマ吹き替えのカリカチュアである。あの独特のしゃべり方を真似する人は沢山いたと思うのだが、芸という形であそこまで昇華させたことがすごいのだ。
大学生のとき、とあるマジックのイベントの裏方のバイトをしていたことがある。そのときにマジシャンの前田知洋氏と話す機会があって、理想のマジックとはなんぞや、という質問をした。
「相手が心の奥底にもっている、自分でも気付いていないかもしれない願望をかなえてあげること。例えばミルクを出してあげることで、『あっ、オレってミルクを飲みたかったんだ』と気付かせてあげる。それが理想のマジックだ」というのが前田氏の答だった。
言いたくても言えないことを言ってあげること。
やりたいけれどやれないことを、代わりにやってあげること。
本当は自分でやるのがいちばんいいに決まっているのだけど、できないことをやってあげること。
それはマジックだけでなく、芸能あるいは芸術というものの本質の一つだと思う。
だから歯に衣(きぬ)を着せぬコメディアンは人気があるし、世界に挑戦していくスポーツ選手にはみんなが応援する。
あるいは気付いていないことを気付かせてあげる。
新しい自分を発見させてあげる。
いや、もうこれは芸だけの話じゃないかもしれない。
「一流」と呼ばれる人の、条件の一つなのかもしれない。