カミカミ王子こと鬼喜王子です。
東京国立博物館で開催中の「レオナルド・ダ・ヴィンチ―天才の実像」(6/17まで開催)に行って参りました。
知人が何人か行っており、レオナルドの手稿にいろいろと面白い発見をしていたので、今回の目玉の「受胎告知」もそこそこに、レオナルドのノートの展示の方を楽しみにしていました。
天才の仕事というのは、我々凡下にはわかりにくいものですが(特に芸術においては)、レオナルド・ダ・ヴィンチの天才性というのは、万人受けするというか、現代人が見てもすごいものです。というか、現代に生きていても、確実に天才で通用する人です。
絵画・彫刻・土木・数学・軍事・地理・政治…というあらゆる分野で、並々ならぬ業績を残してきた正しく「万物の天才」なレオナルドですが、僕がいちばん心引かれたのは「発明」でした。
人間は実現不可能なものは、想像したりあこがれたりすることが出来ないそうですが、レオナルドがその当時想像しメモに残したものは、ほとんどが実現されています。飛行機とかヘリコプターとか自動人形とかチェーンで走る自転車とか。
その当時に実用化した発明もあるのですが、上記の様に世代を経て実現されたものもある。面白いことに、そうした当時実用に至らなかった発明というのは、緻密な設計図を描くまでできあがっているというのに、実際組み立てられてはいないのです。天才特有の気まぐれなのか、天才ゆえにその当時の技術力の限界を知っていたのか。
でもその未完成さゆえに、その飛行機は美しい。丁度「サモトラケのニケ」が首がなくて美しいように。大空へのあこがれを動力に今にも飛び出さんばかりです。
いや実際その精神は時代を飛び越えて、現実に人類に空を飛ばさしめ、そしてその美しさは僕らの心を想像の大空へとはばたかせているのです。
これぞまさしく天才の仕事。